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最高裁判所第三小法廷 昭和27年(あ)796号 決定 1953年7月14日

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人奈賀隆雄の上告趣意(後記)第一点について。

所論は、控訴趣意として主張されず、従って原判決の判断を経ていない事由であるから適法な上告理由とならない(改正前の検察庁法三六条によれば、法務総裁は当分の間検察官が足りないため必要と認めるときは区検察庁の検察事務官にその庁の検察官の事務を取り扱わせることができたのであって、本件の起訴は右の法律により検察官の事務を取り扱うことのできた区検察庁の検察事務官によってなされたものと認められるから刑訴二四七条等に違反する無効のものではない)。

同第二点について。

所論は、事実誤認及び訴訟手続の違法を主張するものであって刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって、刑訴四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員の一致した意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 井上 登 裁判官 島 保 裁判官 河村又介 裁判官 小林俊三 裁判官 本村善太郎)

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